家族で移住を目指す場合の注意点

「家族で移住したい、永住権を目指したい」と考える方も増えてきているように思うのですが、実際にオーストラリアで親子移住を目指してみて、事前にリスクについても知りたかったなと思ったので、その辺りのことについて書いてみたいと思います。

永住権を目指して、苦労の末に取りましたという方の記事はたまに見かけるのですが、苦労の末に取れませんでしたという方の情報はあまり表に出てこないので(言いたくないのかも。)、逆の視点からリスクについても書いてみます。自力で取るには、そこに至るまでの予算、英語力、資格、専門性と職歴、運の全部が揃うことが大事です。

*家族単位で移住して、永住権を目指したい場合についてです。お子さんがいない単身留学のケース、通常の親子留学のケース、母子で数年にわたって親子留学をするが、旦那さんが日本から安定して仕送りをしてくれるケース、会社経営やフリーランスで海外にいても収入を維持できるケースなどは除きます。



結論的には、個人的に帰国してから感じたことは、家族単位の場合は、「移住、永住権を目指す」という壮大な目標でなくても、今は、短期親子留学でいろいろな国に親子留学ができるので、日本できちんと仕事やマイホームなどの基盤を維持したまま、毎年、違う国に短期親子留学に行ってみる選択肢や、1年間などの長期親子留学の選択肢を選ぶのも、子どもがいる場合は、リスクが少ないのでいいなと思っています。渡航前に、こうした選択肢も見えていればよかったなと思います。

私が渡航前に、リスクの面で知りたかったことは、①永住権が取れる可能性はどのくらいなのか?②予算はどのくらいかかるのか?の2点です。

①も②も正直なところ正確な答えはないです。ただ、①の永住権が取れる可能性については、他職種の含め、TAFEや専門学校に通って、スポンサーを見つけてという場合、申請条件に対して職歴年数が足りない、スポンサーが見つからないの項目がが引っかかってしまうケースは、滞在中よく見聞きしました。

独身の方の留学であれば、Diploma後、パートナービザ申請で永住するケースや、大学まで進学してスポンサーなしでの永住権を目指すケース、条件の緩めの都市に移動するケース、学校に通って学生ビザを延長して滞在をのばすなどしている方もいるのですが、家族単位となると、子どもの学校のことや予算の関係で柔軟に対応していくことが難しい面があります。

②の予算について、例えば、QLDで保護者の1人がTAFEか専門学校+子ども2人の場合、2年間で学費だけでも$45,000〜50,000です。アルバイトは、2週間あたり40時間まで認められていますが、日本で就職していたときに比べると、収入の安定性が減り、家計の収支バランスがマイナスになります。子どもをチャイルドケア に入れる場合は、1日あたりの料金が$120前後です。

独身の場合は、アルバイトで生活費など賄ったりできますが、家族単位だと親子分の学費、家賃・生活費がかかることや、コンスタントにシフトに入れるのか、子どもを1人で留守番させてはいけない決まりがあるので、仕事と育児の兼ね合いなどもあり、日本にいる時のように毎月の貯蓄をするのは難しいです。

家族なので、シェアハウスではなく、一軒家や家族で住めるサイズのアパートなどを借りるので、住居のこと、渡航にあたって日本から船便で家族分の荷物を送った方、オーストラリアで家具などを購入した方などもいました。子どもがいると車も必要です。留学中に一時帰国をする場合も家族分の料金がかかったり、卒業生ビザ代、永住権申請代や移民エージェント費用など出費ありです。

ざっとなのですが、2年間の、収入ー出費(渡航から親子学費込み)で、一般的には小学生の子ども1〜2人帯同で大がかりに移住を目指して留学すると、600〜1000万弱くらい収支がマイナスになるのではないかと思います。

その後の卒業生ビザの期間は、毎月の収支は少しずつプラスにはなってくると思います。この期間の小学校の学費は無料です。(仮に1週間あたり、時給$25×週38時間=$950の収入 − レント$350〜400、食費、生活費、その他費用で、収支がプラス)。チャイルドケア代は通常通り1日$120前後かかります。



永住権に繋がらずに帰国の場合は、日本でいったん退職をして、マイホーム資金や将来の学費などを留学で使ってしまう事になるので、家族移住を目指す場合は、主に予算面のリスクがあります。結構な金額をかけてでも目標に到達できるのであればいいのですが、永住権は道はあるけれども確実ではないものを目指すことになるので。

また、留学期間が卒業生ビザなどを含めて3〜4年くらいになってきた場合は、子どもが日本の学校に戻った時に、授業についていけるのか、戻るまでのフォローアップと時間がかかる可能性があります。年齢が大きくなるほど、授業のキャッチアップや受験など考慮する点があると思います。

オーストラリアに親子で長期滞在をすることで、とても良い経験になった面もたくさんあって、ブログ内に書いてきましたが、帰国後のリスクについて書いていなかったので、ネガティブな面の内容になってしまうのですが、帰国後も生活は続いていくので、経済面は子どもを抱えて生活をする上で大切なので、書きました。ただ、健康な体と心、バイタリティーがあれば生きてはいけるのと、日本できちんと働けばまた貯蓄はできるのですが、事前情報は必要だなと感じます。

永住権は関係なく、長期の親子留学、短期親子留学、子どもが高校生になった時に子どもが単身留学するなど、選択肢はいろいろとあるので、思いきって「永住権、家族移住」だけの選択肢ではなく、プラスマイナスの両方の視点から落ち着いて考えて、いろいろな選択肢を知ってから検討されるといいと思います。

 

改めて、
*家族単位で移住して、永住権を目指したい場合についてです。お子さんがいない単身留学のケース、通常の親子留学のケース、母子で数年にわたって親子留学をするが、旦那さんが日本から安定して仕送りをしてくれるケース、会社経営やフリーランスで海外にいても収入を維持できるケースなどは除きます。

私は、当時もっと情報があれば、日本での基盤を確保しつつ、短期親子留学でいろいろな国に行く選択肢もいいなと思ったり、それでも当時の私はやりたいことに進んでしまっていたのかどうかな?とも思うところです。経済的な安定と挑戦が真逆の選択肢なので、私の価値観では、独身であればやりたいことをした方がいいと思う派なのですが、子どもがいるとなると、家族で移住して永住権チャレンジ頑張ってとは、自らは勧められないです。

選択肢や価値観は人それぞれ違っていいと思うのと、後悔したくないという場合もあるので、もちろんそれぞれの選択があっていいと思いますが、事前にリスクと他のいろいろな選択肢も視野にいれておかれると良いと思いました。

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